鳥ポケたちの宴

防御は最大の防御なり

飛行統一・単体考察第1弾【ヨルノズク】

 

 

 1. はじめに

 飛行統一において, 電気タイプや電気技・氷技は対策必須である. 最近はパッチラゴンやガラルヒヒダルマといった物理の電気・氷ポケモンが登場してきているが, やはりメジャーなのは冷凍ビームや10万ボルトといった特殊技がメインである. 現在もジバコイル, ラプラス, ロトムはメジャーな部類に入り, 且つ飛行統一では見過ごせない, 対策必須級のポケモンである. 今回は物理型の電気・氷ポケモンではなく, 特殊型の電気・氷ポケモンの対策に着目していく. 

 現在解禁されている飛行タイプのポケモンの中で, 電気技を等倍で受けられるのはオンバーンスピンロトム, そして, 電気タイプの技を吸収できるポケモンエモンガである. 特にエモンガは待望の電気吸収型の飛行ポケモンであったが, 耐久が低く, 未だにその強みを活かせる道筋を立てられていない. また, 氷技を等倍で受けられるのはリザードン, ファイアロー, アーマーガア, エアームドである. 以上のポケモンは, 上述の通りラプラスを筆頭にロトムジバコイル, そして高耐久のポリゴン2といったポケモンを受けることができない. そして, 個々の突破はそれぞれでも可能だが, できる限り1匹で対処したいと考えた. また, ラプラスは上記の対策可能ポケモンにも強く, 且つダイマックスを切れど巨大旋律+弱点保険+超耐久が厄介極まりない. ラプラスに対して明確な対策を立てる必要があると考えた. 

 以上のことから, 今回紹介する"ヨルノズク"は特殊電気・氷を起点に(特にラプラス)できるように調整をした. 

 

まとめ:役割対象は特殊電気・氷(+その技を持つ特殊型)のヨルノズク

 

 2. 紹介する型について

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ヨルノズク@タラプの実

色眼鏡 / 穏やかH236D92S180(205-*-70-106-140-113)

エアスラッシュ / 瞑想 / 羽休め / 身代わり

HP: 身代わりが地球投げ耐え

D: 余り

S: 準速ラプラス抜き

 

 ヨルノズクの利点は, タイプと特殊耐久の高さと特性だと考えている. 他に瞑想羽休めができるのはネイティオココロモリもいるが, 特殊ドラパルトに弱点を突かれる点, そしてどちらも耐久が足りない(ココロモリの場合は単純瞑想があるが). そして, 色眼鏡という特性は優秀で, エアスラッシュ(飛行技)ワンウェポンでも殴れる点で優秀であると考えている. 

 しかし, 弱点を挙げると物理耐久の脆さと火力の低さ, そしてSの遅さによって汎用性が少々欠けている点である. 役割対象がこの調整のヨルノズクより遅いため, 問題はないのだが対象が不在の場合, 何一つ仕事もせずに, 特に物理ポケモンに一方的に殴られて落とされてしまう. そして, 素の火力が低いことで相手に与える負荷が小さく, 役割対象を後述の方法でハメても数的不利を取られているとTOD負けすることがある. 

 以上の利点・弱点を踏まえた上で次に主な運用方法を記載する. 

 

3. 主なダメージ計算と使用方法

C特化ラプラス===================

絶対零度D(威力130)

素 :77.0%~91.7%(実数値:158~188)

D+1:50.7%~61.4%(実数値:104~126)

D+2:39.0%~46.8%(実数値:80~96)

*羽休め時はダメージ半減

 

フリーズドライ

素 :41.9%~50.7%(実数値:86~104)

D+1:29.2%~35.1%(実数値:60~72)

D+2:21.4%~26.3%(実数値:44~54)

 *羽休め時はダメージ半減

 

素 :43.9%~51.7%(実数値:90~106)

D+1:29.2%~35.1%(実数値:60~72)

D+2:21.4%~26.3%(実数値:44~54)

 *羽休め時はダメージ半減

 

雷(エレキフィールド下)

素 :56.5%~67.3%(実数値:116~138)

D+1:38.0%~44.8%(実数値:78~92)

D+2:28.2%~34.1%(実数値:58~70)

 *羽休め時はダメージ半減

 

 ラプラスヨルノズクの対面ではほとんどダイマックスをして, 巨大旋律を選択してくる. そのため, ノズク側は先手で瞑想を積み, 巨大旋律を受けるとタラプが発動してD+2ノズクになる. そこから残り2ターンを羽休めで粘れば相手のダイマックスターンは容易に枯らすことが可能である. 

 しかし, 相手側もそれをわかった上で, ダイストリームやダイサンダーを選択して, ダイマ後に必中エレキフィールド下雷を選択できるような場を整えてくることがある(現に3ターン目にはダイストリームを打ってくることがあった). そのため, 3ターン目は身代わりを置くのも手である. 

 ダイマ後は大きく分けて3パターンあり, 1つ目はそのまま雷やフリーズドライで突っ張ってくること. これは, 身代わりを置きつつ瞑想を積むことによって対処できる(相手がダイサンダーを選択していた場合, どこかで麻痺覚悟で瞑想しなければならない). 大体身代わりが1回攻撃耐えるため, 身代わりを残す立ち回りをしつつ積むと後続にも対処ができる. 2つ目は絶対零度で落としにくる場合である. これがあるため, 私はまずは身代わりで様子見をすることをしている. 3つ目は氷の礫を所持している場合である. これが一番厄介で, A下降補正無振り氷の礫が30.2%~36.0%であるため, この圏外にいつつ行動をしないといけない. 

ちなみに耐久無振りラプラスに対してエアスラッシュが確2ラインに入るためには瞑想を4回積まないといけない(57.5%~67.8%)ため, 耐久に振られていたり, チョッキ持ちを相手する場合, 処理に時間がかかってしまう. しかし, ラプラス側も回復ソースがないため, そこまで気にしなくていいと考えている. 

 

C特化ポリゴン2(アナライズ)===================

*最高火力のポリゴン2を代表として計算した. 

10万ボルトD(威力)

素 :77.1%~90.7%(実数値:158~186)

D+1:50.7%~60.5%(実数値:104~124)

D+2:38.0%~45.9%(実数値:78~94)

 

10万ボルトD(エレキフィールド下)

素 :99.5%~117.1%(実数値:204~240)

D+1:66.3%~79.0%(実数値:136~162)

D+2:49.8%~59.5%(実数値:102~122)

 

10万ボルト

素 :53.7%~63.4%(実数値:110~130)

D+1:36.1%~42.9%(実数値:74~88)

D+2:27.3%~32.2%(実数値:56~66)

 

10万ボルト(エレキフィールド下)

素 :69.3%~82.0%(実数値:142~168)

D+1:45.9%~54.9%(実数値:94~112)

D+2:35.1%~42.0%(実数値:72~86)

 

==耐久系C4ポリゴン2==

*最高火力のポリゴン2を代表として計算した. 

10万ボルトD(威力)

素 :43.9%~51.7%(実数値:90~106)

D+1:29.3%~35.1%(実数値:60~72)

D+2:21.5%~26.3%(実数値:44~54)

 

10万ボルトD(エレキフィールド下)

素 :55.6%~66.3%(実数値:114~136)

D+1:38.0%~44.9%(実数値:78~92)

D+2:28.3%~34.1%(実数値:58~70)

 

10万ボルト

素 :30.2%~36.1%(実数値:62~74)

D+1:20.5%~24.4%(実数値:42~50)

D+2:15.6%~18.5%(実数値:32~38)

 

10万ボルト(エレキフィールド下)

素 :38.0%~45.9%(実数値:78~94)

D+1:26.3%~31.3%(実数値:54~64)

D+2:19.5%~23.4%(実数値:40~48)

 

 このように, ポリゴン2は基本的に瞑想+タラプの起点にすることが可能である. 特にダイマターンやエレキフィールド状態は羽休めを併用して凌げば身代わりを残しつつ瞑想を積むことができる. ここで厄介なのがエレキフィールド下での放電の存在だが, C4振りポリゴン2エレキフィールド下の放電は17.6%~21.5%(36~44), C特化アナライズポリゴン2の場合のエレキフィールド下の放電は28.3%~34.1%(58~70)と, 耐久系のポリゴン2の放電なら身代わりが確定耐えするが攻撃寄りのポリゴン2では身代わりが破壊されてしまう. よって, 相手のダイマックス後は身代わりで様子見するのがベストな選択だろう(10万ボルトでも同様のため). 如何に身代わりを残して瞑想を積むかが鍵となる. それはトライアタックや冷凍ビームなど, 追加効果極力引かないようにするためである. 基本的には瞑想+タラプが決まってしまえば麻痺しても機能は停止しない(上記のダメ系の通り, エレキフィールドがなくなれば余裕が生まれる)が, 麻痺をもらわないことに越したことはない. さらに身代わりを残すことで相手の受け出し(特に物理系に引かれることが多い)に対してケアができる. 相手がポリゴン2で突破できないと判断した場合, こちらの瞑想や羽休めを読んで引いて裏の物理アタッカーで処理を狙ってくることがある. これをケアするためにも身代わりを残す立ち回りが必要である. 

 しかし, ラプラス同様初期の火力が低く, しかもラプラスと違って再生技を所持しているため突破するのにはかなりの時間を要する. H252振りのポリゴン2を確2圏内(再生が追いつかない圏内)にもっていくためには瞑想を5回積まないといけない. HDポリゴン2になると6積みしても超低乱数でほぼ2耐えされてしまう. 瞑想積んだらエアスラを打って牽制しつつ場合によってはダイマを切る, または数的有利を取っている場合はTODも視野に入れておくのが望ましい. 

 

その他の特殊電気・氷ポケモンについて==============

C特化ジバコイルの10万ボルト

(眼鏡・アナライズ)

素 :138.5%〜163.9%(実数値:284〜336)

D+1:91.7%~109.3%(実数値:188~224)

D+2:70.2%~82.9%(実数値:144~170)

(眼鏡)

素 :106.3%〜125.9%(実数値:218〜258)

D+1:71.2%~84.9%(実数値:146~174)

D+2:53.7%~64.4%(実数値:110~132)

(道具なし, チョッキ持ちとか)

素 :71.2%~84.9%(実数値:146~174)

D+1:47.8%~56.6%(実数値:98~116)

D+2:36.1%~43.9%(実数値:74~90)

 眼鏡+アナライズは基本的に受からないため, 諦めた方が良い. 判断するために身代わり→羽休め(タラプ発動)→瞑想の順で入ることで, 火力の判別ができる. 瞑想後でもかなりのダメージが入った場合はおとなしくエアスラで削りを入れて後続に託すことをお勧めする. あとボディプレスを習得している場合, ダメージ量はB無振りで28.3%~33.7%(58~69)であるため, 瞑想の起点にはできるが身代わりが残せない点に注意. また, 色眼鏡といってもエアスラが1/4のためダメージが入らない. しかし, ジバコイル側も明確な回復手段がないため瞑想を積むことさえできればダメージレースを制することは可能である. 

 

C特化ドラパルト(眼鏡)

10万ボルト

素 :59.5%〜70.2%(実数値:122〜144)

D+1:40.7%~47.8%(実数値:82~98)

D+2:30.2%~36.1%(実数値:62~74)

 

10万ボルト(エレキフィールド下)

素 :77.1%〜90.7%(実数値:158〜186)

D+1:51.7%~61.5%(実数値:106~126)

D+2:38.0%~45.9%(実数値:78~94)

 

10万ボルトD

素 :57.6%〜68.2%(実数値:118〜140)

D+1:38.0%~45.9%(実数値:78~94)

D+2:29.3%~35.1%(実数値:60~72)

 

10万ボルトD(エレキフィールド下)

素 :74.1%〜87.8%(実数値:152〜180)

D+1:49.8%~59.5%(実数値:102~122)

D+2:38.0%~44.9%(実数値:78~92)

 特殊ドラパルトならヨルノズクで受けることができる. この場合, 羽休めから入りタラプを発動させることが前提であるのと, 返しが難しい(先手取られているため)ことからあまり眼鏡ドラパルトに対して居座るのは厳しいと感じる. 特に瞑想を積むタイミングがないため, 羽休めで耐え忍ぶことしかできない. また, 物理型だった場合, 珠陽気のドラゴンアローが致命傷のため基本的には居座らない方が良いだろう. ドラパルト相手はその時々で運用方法が変わるため結構難しいが先に瞑想を積んでいる場合はドラパルト対面でダイマックスを切る動きをしていた. 

 

C特化FCロトム

10万ボルト

素 :61.5%〜73.2%(実数値:126〜150)

D+1:41.0%~49.8%(実数値:84~102)

D+2:32.2%~38.0%(実数値:66~78)

 

10万ボルトD

素 :88.8%〜105.4%(実数値:182〜216)

D+1:58.5%~70.2%(実数値:120~144)

D+2:44.9%~53.7%(実数値:92~110)

 ロトムは本当に運用が難しい. というのもロトムのS調整によって動き方が変わってくる. HC振りロトムであれば瞑想から入り, CS振りであれば羽休めから入る必要があるからだ. HC振りであれば眼鏡型でもなんとか瞑想の起点にできるのだが, CS眼鏡は無理だろう. この調整の判別ができるといいのだが現状見つかっていない. オンバーンのお見通しで道具を確認できた時は作戦を立てることができた. また, 変なタイミングで出てくるロトムはトリックしてくる可能性があるため注意が必要である.  

 

4. 終わりに

ヨルノズクの採用理由

飛行統一において苦手な特殊電気や氷を対策する. 

 

ヨルノズクの利点

・特殊相手(電気・氷でも)を起点にして瞑想を積んで全抜きエースになれること

・タラプ+瞑想によって鈍足系の特殊相手のダイマックスターンを消費させることができること

・色眼鏡でエアスラッシュだけでもある程度の技範囲をカバーできること

・ノーマルであるため霊に抜群をとられないこと

 

ヨルノズクの弱点

・火力が低いため, TODされやすいこと

・ 物理耐久が低いため, 役割対象外に弱いこと

・役割対象を突破するのに時間を要し, 被弾回数が多いため追加効果を引きやすいこと